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飾らない麻生久美子の魅力が満載, 2005/4/2
女優・麻生久美子の初フォト・エッセイ集。巻頭と巻末に屋久島で撮影されたおよそ四十枚の写真が掲載されています。 写真は出色の出来といえます。髪は染めず、顔もナチュラルメイク。額に髪を自然に垂らした彼女は26歳という年齢を感じさせず、むしろ少女の面持ちを見せます。一方でまた成熟した大人の色香も感じさせる写真も含まれていて、彼女の魅力を余すところなくとらえています。 エッセイでは両親の離婚のこと、「カンゾー先生」でのヌード撮影のこと、活動の中心をテレビドラマよりも映画に置いていること、などを心の赴くまま綴っています。 彼女自身の手になる文章は、悪く言えば幼げで拙いものですが、肯定的に見るならば華美な飾り立てのない、つまりはいたずらに技巧に走ることのない、まさに生(き)のままの自分を綴っていくといった趣です。 例えば弟の結婚式でほぼ十年ぶりに父親と再会したエピソードを語るにあたって麻生久美子が綴った文章の書き出しは次のように切なげなものです。 「私は『温かい家庭を築きたい』と小さい頃からずっと思ってました。」(88頁) こんな風に直截に綴るところが、麻生久美子という女優をとても近い存在に思わせる、そんなエッセイなのです。 麻生久美子の出演作はいくつも見てきましたが、最近「eiko」(ASIN: B000657NM2)という作品をDVDで見たところです。この映画といい、本書といい、ますますこの彼女を応援したいという気がしています。
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